Dream Japan

vol.12:
"Othello(オセロ) "
    - Everything you know might be wrong
  ("オセロ" - Everything you know might be wrong 2009~2012)

(2012/12/30)

約3年3ヶ月ぶりに自民党が民主党に代わり与党政権第一党になった。2009年夏、『国民の生活が第一』と謳い期待した人もいたであろう民主党内の内紛に"マニフェスト"(政権公約)という言葉に反する消費税増税、さらには大震災と原発事故がおこった当期間での期待は失望に代わり、その期待の裏返しで与党の座から転げ落ち、一気に形成は逆転した。まるでオセロゲームのように。

オセロはイギリスのリバーシというゲームを原型に発祥したゲームだが、チェスや将棋が紀元前に古代インドで発祥したといわれているのに比べ、一般的なゲームではあるものの、19世紀からと歴史は浅い。民主党の「仕分け」という作業は新鮮であったが、歴史は浅くとも多くの期待の元に政権を担うはずであった新政党が旧来の政党に一気に逆転された後に黒を白に、白を黒にできるのであろうか。取 り戻した側も、またオセロのようにひっくり返される可能性を秘めている中で、期待を裏切らない舵取りが必要とされる。

ここで政治、時事放談を中心に記述する訳ではないが、アート、とりわけ音楽界でも新風や新しいトピックがあいまった2012年とこの約3年程度を海外アーティストの10大ニュース形式で、降順に振り返ってみることにしよう。

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10位 『アレスタ旋風』 - 東欧ルーマニア共和国コンスタンツァ生まれのシンガーソングライター、アレクサンドラ・(アイオーナ)・スタン(1989年6月10日)が全英やヨーロッパチャートを席巻して、日本にもやってきた!ルーマニアといえば、ドラキュラ伯爵と、ラドチョウとゲオルグ・ハジ(共にサッカー選手)位しか知らない人も多かろうが、2011年発表の"Mr.Saxobeat"が欧州7カ国で1位、世界20カ国以上でTop10入りし、さらなる期待を寄せられている。かつてモルドバ出身ではあるが、ルーマニア経由のアーティストでは『マイアヒ』を日本で流行させたO-Zoneがいた。通称『アレスタ』は、「ルーマニアと言うマイナーな国に生まれたことで逆に注目を浴びることができた」と語った。

Alexandra Stan - Mr Saxobeat (Official Video)

『恋のマイアヒ』 - O-Zone

lolipop

アレスタBLOG


9位 『K-POP旋風』- 日本でKaraや少女時代、東方神起らがブームの日つけ役となったが、『冬のソナタ』のタイトル曲、『最初から 今まで 』とスカパーのCMにも抜擢されたヨン様ブームがあって徐々に土壌があたためられていったことは間違いない。Karaは"Mr."をヒットさせ、少女時代は"Oh"をヒットさせたのであるが、"ON"になぞらえるとは何という偶然か。 さらに、2012年には『PSY(サイ)』が"GANGNAM STYLE"(江南スタイル)をUSチャートの上位に送りこんだ! マンチェスター・ユナイテッドに所属した香川がクリスマス・パーティで歌いファーディナンドにプレー以上に(??)絶賛されたとかしないとかだそうであるから、益々、流行りそうだ。

GANGNAM STYLE - PSY

最初から今まで

GANGNAM STYLE live w/Mc.Hammer


8位 『CHE'NELLE』- 『シェネル』と読むが、マレーシア生まれのオーストラリア人女性シンガーだ。"Art lounge"でも既にとりあげ たが、日本で"Baby,I love you"のヒットを皮切りに、映画『海猿』のテーマソング、"Believe","Story"らのヒットを飛ばし、11月に は"Touch"をリリースした。特にバラードが歌声にマッチしているようで、最初Hip-Hopをやっていたのが信じられない位、見事にハマっ ている。

Story

Believe - 映画『海猿』のテーマソング

TOUCH(CLOSE TO YOU)


7位 『アデル』 - 2012年の第54回グラミー賞6部門受賞歌手に昇り詰めた88年世代、斎藤祐ちゃん、田中まーくん、坂本、前健 らと同じ世代とは思えない、さらに10歳も20歳も上に見えるルックスだが、れっきとしたイギリスはノースロンドンのトテナム出身 の女性シンガーソングライターである。アーセナルとの”ノースロンドン・ダービー”で有名な、トテナム・ホットスパーのファンであり、2012年6月29日には突然、第1子の懐妊を発表した。2012年10月には、人気シリーズである映画『007 スカイフォール』のために書き下ろした新曲「スカイフォール」を発表して、今、乗り に乗っている。

Adele 21

Set Fire to the Rain

Someone like you


6位 『サラ・ブライトマン宇宙へ』 -  2013年1月16日にニューアルバム、『ドリームチェイサー(夢追人)』をリリースするUKのソプラ ノ歌手であり、クラシックとポップスを融合した"Classical Crossover"という新ジャンルを開拓した歌姫である。 「オペラ座の怪人」、「キャッツ」らの音楽を手がけたアンドリュー・ロイド・ウェバーと結婚し、離婚もしたが、「オペラ座...」でのクリスティーヌ役で一躍、世界に名をとどろかせて、1992年のバルセロナオリンピックの閉会式でも熱唱、96年の"Time to say goodbye"の世界的ヒットで再び脚光を浴びた。その彼女が2015年には宇宙旅行という"夢"への挑戦を発表し、"宇宙で歌う"ことも計画している。外見からは想像がつかないが、クラシックを宇宙で歌う最初の地球人になることが"夢"だったようである。

日経電子版の記事

EMI Music

Time to Say Goodbye

Angel of Music - Phantom of the Opera


5位 『大御所復活』 - 次々と先の時代をリードした音楽界の巨匠、ビッグネームたちが新曲や新たな活動をしはじめた。 Van Halenが『ダイアモンド・デイブ』こと、初期のボーカリスト、David Lee Roth(デイブ・リー・ロス)をメイン・ボーカルに見事に復活。エルビスがいきなり登場するニューシングル、"Tatoo"に、往年のヒット曲に近い"She's the Woman"などのヒットで健在ぶりをアピールし、2013年にも来日することになった。
さらにAerosmith(エアロスミス)も実に11年振りのニュー・アルバム、"Music from Another Dimension"を披露した。エアロは何と言っても永らくの低迷後、Rap Boomの火付け役、RUN DMCが往年のヒット曲、"Walk This Way"を使い共演したことから再度脚光を浴びて復活をとげた。その後、『ずっとバケーションをとっていただけだ』とでも言わんばかりに発表したアルバム"Permanent Vacation"から"Eat ther Rich"らを収めた"Get A Grip"まで怒涛の復活劇を演じ、チャートの中心に返ってきた。
そのエアロの実に11年最新アルバムが、"Music from Another Dimension"である。"What could have been love","Lover Alot"などのシングルでは、健在振りをアピールしている。
She's The Woman - Van Halen

Tattoo


Walk This Way - RUN DMC with Aerosmith

Lover Alot

What could have been love

Eat the Rich


Wham!として人気を博したGeorge Michael(ジョージ・マイケル)も大御所、ヨーロッパを代表するシンガーソングライターとして確固たる地位を築いたひとりだろう。今でも12月には必ず街で聴かれる"Last Christmas"のヒット、ソロとしての"Faith","Fastlove"らのヒットで才能をみせていたが、たびたびトラブルを起こしていた。 その彼が地元ロンドンでのオリンピック閉幕式に出演。新曲や名盤"Listen without prejudice"からの"Freedom"らを熱唱した。

Last Christmas

Faith

Fastlove

I believe when I fall in love

Freedom - London Olympics Closing Ceremony 2012

他にもThe Chemical Brothersがロンドンオリンピックのオフィシャルテーマソングである"Velodrome"(ベロドローム)らを発表した。
同じくテクノの雄、フランスのDaftPunkも映画トロン・レガシーで"Derezzed"を発表し、健在振りを発揮し、日本では大ヒット曲"One More Time"がauのCMソングに選ばれた。 One More Time - DaftPunk

Around The World / Harder Better Faster Stronger

Derezzed - "Tron Legacy" soundtrack

Music Sounds Better With You (Stardust)

Aura Rock 


Star Guitar - The Chemical Bros.

Block Rockin' Beats

Velodrome - UK 2012 Olympic Games Official Song Theme For London


"Girlfriend"、"What the Hell"などのヒットで元気なガールズシンガーの代表的存在であるアブリル、Avril Lavigneは、2012年には人気マンガ『ワンピース Film Z』の主題歌"Bad Reputation"をも歌った。常に元気を与える存在としてカッコよさも兼ね備え、女性たちのカリスマになりつつある。 ケイティ・ペリーやピンクらと共にミュージック・シーンを引っ張る存在になっている女性アーティストだ!

Girlfriend

What the Hell

BAD REPUTATION - ONE PIECE  ワンピース FILM Z 主題歌  


Raise Your Glass - P!nk


California Girls ft. Snoop Dogg - Katy Perry

Firework


4位 『ホイットニー・ヒューストン』 - 2012年第54回グラミー賞の直前に亡くなった歌姫。"You give good love"でのデビューから爆発的人気を集め、91年スーパーボウルでの国家斉唱も有名なパフォーマンスとなり、映画『ボディー・ガード』の"I will always love you"の大ヒット。スーパースターとしての 地位を築いた彼女は"Every little step","Humpin' Around"らのヒット曲を持ち同じくスターだったボビー・ブラウンとの結婚で栄華の頂点にたつはずであったが、ボビーのプレーボーイ振りと何よりドラッグ癖にホイットニーも影響を受けてしまったことで破局。頂点に戻ろうとした過程でホイットニーは返らぬ人となった。 2009年にはマイケル・ジャクソンも亡くなって多くの人が彼の功績を称えたが、ホイットニーの歌声の素晴らしさも同様に称えられるべき才能であった。

American National Anthem

You Give Good Love

Every Little Step - BB

Humpin' Around


MJ - マイケルも2012年に"BAD 25周年記念版"とDVDを出し、全盛期のカッコよさが再現された。 そのマイケルのコスチュームなど55点を落札していたレディー・ガガは競売後、ツイッターを通して「今日落札した55点は、彼のファンのためにも大切に保管していく」と述べていた。ガガは3rdアルバム、"Born This Way"からの"Mary the Night"で自伝的なビデオの監督も勤めたが、"Telephone ft. Beyonce "で共演していたビヨンセ以外の大物、ステファニー(ガガの本名)の20歳になる妹、ナタリー・ジャーマノッタがモデルデビューも果たした。

NATARI

Speed Demon (Nero Remix) - MJ

Dangerous

Mary the Night- Lady Gaga

Telephone ft. Beyonce


1980年代から90年代にかけて世界的な人気を集め、カリスマ的人気のあったボーカルのマイケル・ハッチェンスが1997年に死亡したオーストラリア出身のロックバンド「INXS(イネクセス)」が2012年11月13日、35年間のライブ活動に終止符を打つとシドニーで発表した。 他にも多くのアーティストたちが他界したが、往年のスター達が亡くなっていく姿は非常に残念であった。

What You Need - Inxs

Baby Don't Cry

By My Side


3位 『ザ・ローリング・ストーンズ、結成50周年記念』 

- 50周年記念ベストアルバム、"GRRR"を発表。ライヴにはビル・ワイマンとミック・テイラーという離脱していたオリジナルメンバーの参加を正式に発表した。 ザ・ビートルズという真に彼らと人気を2分したスーパーバンドがジョンの死去により消滅してから、ロックバンドの頂点に位置してきたバンドであるが、スリルと隣り合わせで誰もが50年続くとは思わなかったであろう。そして11、12月にはO2アリーナでのライブを発表したが、その入手困難なチケットがインターネットのオークションで何と300万の値をつけた。

アデルが"Skyfall(スカイフォール)"で歌って話題の"007"(ダブルオーセブン)の主題歌で唯一の全英米NO.1ヒット曲を持つ同じUKのDuran Duranは人気ベーシストだったJohn Taylorが自伝を発表した。80年代以外は一時の復活を除きオリジナルメンバーではなくなったDuran Duran。The Power Stationに分裂した際は故Robert Palmerがボーカル、実力派ベーシストのBernard Edwardsがプロデュースを担当した。35年以上もオリジナルメンバーでヒットを出し続けているのはグラミー賞受賞の常連、U2位だ。U2は2009年にアルバム"No Line on the Horizen"を発表。360°ツアーなどで全国を駆け回ったが、ストーンズはさらに彼らのキャリアの先を行く50周年を記録した。

Stones特集

A View to a Kill 007 - Duran Duran

The Reflex

Some Like it Hot - The Power Station

White Lines


I'll Go Crazy If I Don't Go Crazy Tonight - U2

Get on your Boots

No Line on the Horizon

Window in the Skies

The Fly




2位  『ガンズ・アンド・ローゼズ、アクセル、Hall of Fame辞退』
- 2012年のRock 'N Roll Hall of Fame(ロックの殿堂)にノミネートされたにも関わらず、アクセルから『辞退』の声明が発表されたガンズンローゼス(G'NR)。2012年12月にはZepp Tokyoで一夜限りの来日公演も果たしたが発売の発表後、即日Sold Outとなった。80年代末~90年代にかけてロックの地位を向上させた真のロックンロールバンドであった。同時に多くの問題を抱えたバンドでもあり、現在のオリジナルメンバーはボーカルのアクセルローズただ一人。そのアクセルはロックの殿堂を辞退した。 しかし、アクセルと並びカリスマ的ロックンローラー、アイコンとなったオリジナルメンバーでリードギターのスラッシュは、ベースのダフ・マケイガン、ドラムスのマット・ソーラム、スティーヴン・アドラー、ギターのギルビー・クラークら元メンバーと共にロックの殿堂に出演した。ラップ、ヒップホップブームが隆盛となった頃にロックンロールを再びチャートの頂点に導いたのは彼らであり、Stones、Bob.Dylan、AC/DC、Hanoi Rocksらの影響を色濃く受ける”ロックンロールの継承者”だった。

GN'R live in London 2012 - WOWOW 2013.1.6 On Air

November Rain - Guns N' Roses

Patience

Paradise City

Better

Street of Dreams


彼らと匹敵するロッカーと言えば、へヴィメタル路線のMetallica、よりポップス志向だが"Livin' on A Prayer"らのヒットを持ち、日本でも人気が高くハードロックというジャンルをメジャーにしたBon Jovi、そしてインダストリアルな実験的音楽性を持つNine Inch Nailsらだろう。 中でもNine Inch Nailsは、カントリーの大御所、Jonny Cashがカヴァーした"Hurt"によって、ダークだが、音楽的な価値の高さがクローズアップされた。 ガンズのアクセルは、MJらとも共演した人気者スラッシュと組むことよりも、Nine Inch Nailsのギタリストも勤めたロビン・フィンクらをその後抜擢した程だ。 ガンズの凄さはインディアナ、くしくもMJと同じインディアナ出身のアクセルのボーカルとイジーの作曲能力にあっただろう。そこにZeppelinにも通じる稀代のギターソロ・アーティスト、スラッシュが加わり、名曲の数々を作りだしていった。  
しかし、アクセルは職人スラッシュよりも、新たな実験を選んだ。 ストーンズにミックとキースがいたように、この3人は突出しており、ストーンズを凌ぐ才能を見せていたのだが、再び同じステージに立つ事がない状態が続いている。しかし、50年というスパンで彼らをみれば、この黄金のケミストリーを生み出す3人のユニットが復活する日を"Patience"(辛抱)を持って、待つファンも多いだろう。

Living on A Prayer - Bon Jovi

Sahara - Slash Feat. 稲葉浩志

St.Anger - Metallica


Burn - NIN

Hurt - Jonny Cash

Mr.SelfDestruct - NIN

Slipping Away

Just Like You Imagined

Hurt live - NIN


リンキン・パークも2012年にニュー・アルバム『Living Things』を発表し、『年間最優秀ロックアルバム』をはじめ、多くの栄冠を手に入れた。映画『Miami Vice(マイアミ・バイス)』で"Numb"をプロデューサー、Jay-Z(ジェイ・ズィー、ビヨンセの夫としても有名)とコラボして一世を風靡した。新曲"Burn it Down"はそれに匹敵するヒットを飛ばした。

Linkin Park Special Site

Numb

Numb/Encore featuring Jay-Z (Miami Vice)

Burn it Down


◆"State-of-the-Art Point":

"Othello" - 「オセロ」

        

以上、10位から2位まで一気に紹介したが、初の年またぎの続編あり、として1位は2013年に発表する。この約3年程度は、K-popやアキバのアイドル、マツコ・デラックスらに代表されるLGBT(レズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)という以前のマイノリティが市場のメインストリームに台頭した期間でもあった。マイナーがメジャーに、メジャーがマイナーに変わる可能性をもった時代といってもよいだろう。戦国時代には下克上というものがあったが、一気に形成が変わる不安定だが、ポジティブに捉えれば、誰でも可能性を秘めた環境になっているのかも知れない。 可能性がある以上、誰でも、”夢”や目標に向かってチャレンジする権利はあるし、希望を失わなければ、『オセロ』の勝者になるかも知れない時代と捉えてもらいたいものだ。          

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