Dream Japan

Vol.21:
"Only want 2 see U laughing
in the Purple Rain..."
- "プリンス追悼"

(2016/05/01)


"天才"、"Musician's musician(ミュージシャンのためのミュージシャン)"、"偉大なシンガーソングライター"、”偉大なギタリスト”など、数々の賞賛を受けたプリンスが息をひきとった。

"Sometimes it snows in April(時には4月に雪がふることもあるさ)"と彼が歌っていた4月21日(日本時間22日)のことであった。

"マイケル・ジャクソンの唯一のライバル"とも言われ、マイケル、マドンナと同い年のアメリカを代表するアーティストであったが、ダンサーとしてはマイケルだが、作曲家としてはプリンスが上、いや、ギタリストとしてもプリンスは超越している・・・など、しばし論争になった。

プリンスはそうでもないが、マイケルはムチャクチャ意識していたというよりも、プリンスとの共演を何度もオファーしたが、プリンスがずっと断っていた。

一番有名なマイケルの"BAD"での共演依頼、今でいえば、Lady GagaとBoyonceが唄いヒットした"Telephone"のように輝きを放つ曲であったのかも知れないが、プリンスが「これは君だけで売れるよ」といって断った。

"We are the World"でもマイケルはプリンスのパートを作っており、"When you're down and out,there seems no hope at all"とマイケルが2度目に歌うパートだが、プリンスは収録に現れず、その代わりに凡庸な曲をアルバムに収めることで同意した。

また、"BAD"は結果的にGrammy賞のアルバム賞をとれなかったが、曲順が悪かった?などの説もあり、2曲目にくる"the way you make me feel"は悪い曲ではないが、マイケルがプリンスの大ヒットアルバム"Purple rain"の2曲目の"take me with U"をあまりに意識しすぎたのでは?とも言われたが、"Speed Demon"か"Another part of me"にでもしておけばよかったのか。

マイケルの実妹、ジャネットはプリンスのバック・ミュージシャン、ジャム&ルイスによるプロデュースでNasty、Control、Rhythm Nationなどのヒットで成功を収めた。

いずれにしても、彼を絶賛するのは評論家よりもミュージシャンが多く、アイディア、創造性、バラエティ、オールジャンルの引き出し、など、その多様性、スケーラビリティは才能を感じざるを得ない。

ただ、ナイトクラブでかかりそうな曲やダーティーな歌詞が若かりし当初は特に多かったため、"不健全"ということでアンチも多く、よせばいいのに露出が多すぎたこともあり、マドンナ同様、アンチのバッシングも受けたが、ある種、"有名税"だろう。

哀悼の意を表したのは彼の大ファンだったというエリック・クラプトンやストーンズを筆頭に、スティービー・ワンダー、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、U2、B.スプリングスティーン、マドンナ、レディー・ガガ、ビヨンセ、ケイティ・ペリー、ジミー・ペイジ、ブルーノ・マーズ、コールドプレイ、ボンジョビ、Kiss、Sixx A.M.、Redfoo(LMFAO)、シェール、サンタナ、ディビッド・ゲッタ、ブライアン・メイ、セリーヌ・ディオン、バラク・オバマ大統領ほか・・・。

19才でのデビュー時に音楽会社の争奪戦をワーナーが制したが、その時の条件は"セルフ・プロデュース"。プリンスの好きにやらせてくれ、という条件だった。

「この人に影響を受けて作った曲が一曲はあるっていうミュージシャンが、世界中にどれくらい沢山いるんだろう。」と日本のミュージシャン、オリジナル・ラブが語ったように、彼にインスパイアされたアーティストは多く、布袋、Yoshiki、Chara、西川貴教、スガシカオ、亀田誠治ら日本のミュージシャンたちも追悼の意を表した。


◆"State-of-the-Art Point":

- "in the Purple Rain..."

彼の最大のヒット・アルバムで、代表曲である"Purple Rain"はグラミー賞、ブリット・アウォードやその他の賞に加え、アカデミー音楽賞までも受賞した80年代でもっとも優れたバラードとも言われたが、ギターソロの秀逸さは今でも心に響く。

このアルバムからは"Let's go crazy","When doves cry","The beautiful Ones","take me with U","Baby I'm a star",...などのヒット曲が生まれたが、その前の"1999"という2枚組アルバムの方が優れている、とも言われるほど、この時代のプリンスは超越していた。

"1999","Let's pretend...","All the Critics Love U in New York","Free","Little Red Corvette",宇多田ヒカルのデビュー曲と同名である"Automatic"など、アルバムとしての流れはこちらも凄いといわれた。

ヒット曲ははかりしれず、シンディ・ローパー、マライヤ・キャリー、ビヨンセ、バネッサ・パラディ、チャカ・カーン、バングルス、シーナ・イーストン、シーラE、シニード・オコナーなど、彼の曲を女性が歌うと何故か大ヒット、という構図も生まれた。

デビッド・ボウイのヴィジュアルがプリンスにあれば、どんなアンチも作らない、圧倒的な世界No.1だったかも知れないが、彼のヴィジュアルが嫌いな人がいたら音楽だけを聴けば虜にさせる優れた作曲能力があったと認めるのではないだろうか。

プリンスの名曲、10曲を選ぶことも20曲を選ぶことも難しい。50曲なら選べる。

しかし、彼の功績を讃え、3つのお勧めアルバム、"1999","Purple Rain","Sign O' the times"と、彼の才能の片鱗の少しのシングルをリコメンドしておこう。


◆"Princeのお勧め曲"

1.Purple Rain - live

2.Batdance

3.Pop life

4.Sometimes it snows in April

5.1999

6.Kiss

7.Starfish and Coffee

8.Condition of the Heart

9.Endorphine Machine

10.Automatic

11.Manic Monday

12.Glamorous life

13.Let's pretend we're married

14.When Doves cry

15.Sign O' the times

16.Controversy

17.Party Man

18.Raspberry Beret live

19.Under the Cherry Moon

20.America -live

21.Anna Stesia

22.(All that glitters ain't)Gold

23.The Cross

...


日本では"Batdance"のヒットで街で多くのバットマンロゴのTシャツや帽子が流行し、彼の音楽に溢れ、商業的成功で、一般の人に歩みよれたのかも知れない。元ジャイアンツの小笠原選手の登場曲としても使われたが、桑田真澄投手もドームツアーで見かけたものだし、もはや日本のオピニオン・リーダーのひとりであるマツコ・デラックスもいない時代にとんねるずの石橋貴明が当時はLGBTがまだ世間で認められ難かった中で、ホモダホモオとして、プリンスのパロディを演じていた。後期にはアルバム"Gold Experience"からのフジTV放映で一世を風靡したK1のテーマソング,"Endorphine Machine"もヒットした。

ひどい曲ばかりだ。とおもうか、凄い曲ばかりだ。とおもうか、は自由だ。あと、プリンスはR指定、深夜番組のようなものなので、ジブリやアナ雪だとおもうなら、子供は視聴しない方がいい。それは彼の過小評価の原因だ。

ロック・ミュージシャンに専念した方がカリスマが増したという人もいるが、ジェームス・ブラウンのようなファンクも、テクノも、ブルーズも、ジャズもこなした。

レニー・クラビッツは「僕の中の一部が死んだように感じているんだ。」と語った。

そして、アリス・クーパーはプリンスに対してこう語った。「全面的に敬意を抱いており、彼は間違いなく偉大な素晴らしいギタリストだよ。ミュージシャンは彼がどれだけすごいか分かってるよ。一般の人がどれだけすごいか分かってるとは思わない。」

マイケル・ジャクソンは、自身の最初の子供に”プリンス”という名をつけた・・・。


プリンスは"4月の雪"となったが、きっと天国でこう叫んでいるはずだ。

"Let's Go Crazy!"


そして、多くのレジェンドたちと合流し、天国では我々はひとつだ、といわんばかりに永遠のMusicを奏でてくれるだろう!

"(what if God was )One of Us"





・「PRINCE ~創造にみちた天才の軌跡~」

【BSプレミアム】:2016年5月8日(日)午後10:50~11:59 放映


links:

・Prince (Warner)


・"Purple Rain" -Academy Awards Best Music,Original Song Score,Grammy & Brit Awards Winner