Dream Japan

vol.16:
"Road to Final ! - Starts New season of UEFA Champions League !"

"ロード・トゥ・ファイナル!"
     - UEFAチャンピオンズ・リーグ新シーズン開幕!

(2012/9/26)

今年もUEFAチャンピオンズリーグの新シーズンが到来した。

サッカー、クラブチームの欧州王者を決める本大会の前回王者はロンドンのチェルシーで、バイエルンを倒し初の栄冠を手にした。しかしエースFWドログバはもういない。F.トーレスを軸にアザール、オスカルといった若い才能が加わり、機動力とテクニックを兼備した新チームに生まれ変わった。バイエルンは決勝で涙をのんだが、ロッベン、リベリーの最強ウイングに、クロースやミューラーなどが中心選手に育ちつつある。2013年5月25日の決勝の舞台はロンドン五輪の熱狂冷めやまぬロンドン、ウェンブリー・スタジアムだ。

2012年にはオリンピック、パラリンピックが開催されたロンドンの地を舞台に、マイケル・ジャクソンが"This is it"で最後の舞台に選んだイースト・ロンドンにあるOSアリーナと対極のウエスト・ロンドンにあるウェンブリー・スタジアムでのライブが収録された"BAD 25周年CD/DVD"も発売されるなど、この都市への注目も興奮も冷めやまない中、来年2013年も国際大会を主催することになるという点では、東京も見習うべき点がある。

女子のチャンピオンズ・リーグ決勝も同23日に開催されるが、オリンピック・リヨンが現在2連覇中だ。

チャンピオンズ・リーグという名称になった93年はフランスのオリンピック・マルセイユがイタリアのACミランを 1 - 0 で破って栄冠を得た。今年はACミランから、フランスのPSG(パリ・サンジェルマン)に移籍したズラタン・イブラヒモビッチと、チアゴ・シルバらがどこまでやるか?にも注目だ。アディダスのオーナー、タピが率いたマルセイユ以来、フランスのクラブとしてまともに財政面でもPSGは優勝を狙える状態にある。大量補強で昨年のリーグ得点王、ネネでさえも控えに回る可能性がある。日本の鹿島アントラーズで活躍したレオナルドSD(スポーツ・ディレクター)と、名将アンチェロッティのコンビでリーグ制覇のみならず、欧州制覇も視界に入れようとしている。また、当然昨季のファイナリストたちの他に、レアルマドリー、バルサ、ユベントス、ミラン、アーセナル、マンチェスターの2クラブらも決勝進出をもくろむ。

前身のチャンピオンズカップ時代からの過去の優勝回数上位は以下の通りである。

1位レアル・マドリー9回
2位ACミラン7回
3位リヴァプール5回
4位バイエルン・ミュンヘン4回
アヤックス
6位バルセロナ3回
マンチェスター・ユナイテッド
インテル
9位ユベントス2回
ベンフィカ
ポルト
ノッティンガム・フォレスト
13位マルセイユ1回
チェルシー
アストン・ヴィラ
ボルシア・ドルトムント
ボルシアMG
ハンブルガーSV
PSVアイントホーフェン
フェイエノールト
セルティック
レッドスター・ベオグラード
ステアウア・ブカレスト

チャンピオンズリーグになった93年以降、連覇したチームはないが、それだけ実力が拮抗しているといえる。

来年5月にウェンブリーの舞台にたっているチームはどこか?

日本人にとってはマンUに加入した香川がどこまでやれるか、また最高峰のフットボールの舞台で輝けるか、非常に楽しみである。

マンUで栄光を掴んだボビー・チャールトン、デニス・ロー、ジョージ・ベスト、エリック・カントナ、デイビッド・ベッカム、クリスチャーノ・ロナウド、ライアン・ギグス、ウェイン・ルーニーら偉大な先人たちにどこまで近づけるパフォーマンスを香川は見せられるだろうか。

これから各国リーグ戦と共に、新たな欧州王者を争う戦いに注目だ!


◆"State-of-the-Art Point":

2012-13シーズンの各グループ単位での勝ち抜け予想と、注目のポイントを見ていこう。

グループA
PSG(FRA)
ポルト(POR)
ディナモ・キエフ(UKR)
ディナモ・ザグレブ(CRO)

イブラヒモビッチにネネ、パストゥーレ、ラベシらの海外組に加え、国内屈指の若手メネズ、ガメイロ、オアラウ、ボドメルまでいるPSGは当確だろう。彼らにとって、グループリーグ突破どころではなく、ライー、ジョージ・ウェア、ダビド・ジノラらが席巻したチャンピオンズ・リーグの舞台でどこまで辿りつくか?まだ復帰したばかりの最高峰の舞台とはいえ、アンチェロッティ監督やレオナルド、パリ、フランスの国民は、ベスト8、4、そしてファイナル・・・と、一刻も早い名門復活を望んでいることだろう。ルチョ・ゴンザレスが復帰したポルトが次点だが、キエフ、ザグレブらもアップセットを狙っていることだろう。

グループB
アーセナル(ENG)
シャルケ(GER)
オリンピアコス(GRE)
モンペリエ(FRA)

新生アーセナルはポドルスキ、ジルー、カソルラと代表クラスを矢継ぎ早に補強した。しかし、ファンペルシー、ソングという攻守の大黒柱を例によってメガ・クラブに譲渡した。チームの再構築の時間がかかるが、この組み合わせなら組み立てには丁度いい。シャルケ内田はレギュラー奪取したいところだ。フランス王者モンペリエも主力の移籍で再構築中のチームを早く作りたいところだろうが、新星ヤンガ・エンビアや司令塔ベルアンダらがどこまで最高峰の舞台で活躍できるか、またアルゼンチンからFWエレーラを獲得したが、フランス代表ジルーの代役になるか?注目の選手だろう。エースFWミララスがプレミアのエバートンに移籍して戦力ダウンしたものの、オリンピアコスも一矢報いたい。

グループC
ACミラン(ITA)
ゼニト(RUS)
アンデルレヒト(BEL)
マラガ(ESP)

ACミランは攻守の柱が抜け、チームを再構築中だ。出遅れは確実で、果たしてこのままシーズンを乗り切れるかといった状態で、ゼニトやアンデルレヒト、新興勢力マラガらがその状態に乗じて混戦に持ち込めば、各チーム勝機はある。サビオラ、ホアキン、サンタクルスらのいるマラガが1位通過の可能性もあるグループだ。

グループD
レアル・マドリー(ESP)
マンチェスターC(ENG)
アヤックス(NED)
ドルトムント(GER)

スペイン王者レアルマドリー、プレミア王者シティ、オランダ王者アヤックス、ドイツ王者ドルトムントと各国のチャンピオンが揃ったまさにチャンピオンズ・リーグの醍醐味が凝縮しているグループだ。DFの要、フェルトンゲンがトテナムへ移籍したアヤックスは再編途中であり、香川がマンUに移籍したドルトムントはロイスらの補強がすぐにフィットするか次第だが、エッシェン、モドリッチらを補強したレアルや、マイコン、シンクレア、ロドウェルらを補強したマンCが戦力的には飛び抜けている。C.ロナウド、ベンゼマ、イグアインといった各国代表のエースFWにエジルやモドリッチらが絡み、カカーでさえも控えに回るモウリーニョの布陣はCL王者を狙える戦力を備えてはいる。後は不協和音を出さない長期のモチベーションを保つ舵取りが重要だ。シティは初の欧州制覇と国内の2冠に挑むが、戦力は充分にあるものの、彼らにとってははじめての試みになるだけに疲弊やチームの中心選手の故障に気をつけたいところだろう。

グループE
チェルシー(ENG)
シャフタール・ドネツク(UKR)
ユベントス(ITA)
ノアシェラン(DEN)

新鋭アザール、オスカルの躍動ぶりはプレシーズンからレギュラーシーズンになって、一層すばらしく、輝きを増している。大金を使ったトーレスが結果を残せずにいたが、ドログバ、アネルカ、マルーダ、エッシェンらモウリーニョが欲しがったハングリーな"ブラック・スターたち"の布陣から、比較的白人、ラテン系にシフトし、トーレスを活かす為に同スペイン代表マタも獲ったほどだ。得点力の高い中盤、ランパードは相変わらずチームの中軸だが新戦力と融合し、イタリア人監督らしいディマッティオのソリッドな守備重視の戦術からさらにスペクタクルも兼ね備えたチームになりつつある。同じロンドンのチームとして人気の高いアーセナルを凌ぐ可能性もあるスペクタクルでスタイリッシュなチームになりつつあるが、逆に懸念はその"若さ"だろう。ユーべも磐石だ。欧州の舞台に戻ったイタリアの"貴婦人"は、中盤の底のピルロがデルピエロ移籍のチームで全タクトをふるい、守備から一発カウンターのロングパスといった攻守の切り替えが徹底していて攻撃側もおそろしい。攻めながら守りを意識し続けなければ、ユーベには勝てない。但し、デルピエロ、トレゼゲ、イブラヒモビッチらがいた最強のFW陣のようなチームではなく、攻撃力がワールドクラスに一歩足りていない。ジョビンコら主力がさらにジャンプアップする成長をみせるかが鍵であろう。その他CLの常連でアルメニアのFWムヒタリャンが急成長中のシャフタール、改革後のCLの象徴ともいえるデンマークから本選出場したノアシェランは3位争いでヨーロッパリーグ出場権を確実に得つつ、2位以内に食い込めればチームの総合力からは最高の結果あろう。

グループF
バイエルン(GER)
バレンシア(ESP)
LOSCリール(FRA)
バテ(BLR)

バイエルンは当確だ。ゴメス、ミューラー、クロース、シュバインシュタイガーといったドイツの攻撃陣だけでもスペシャルだが、もっとスペシャルな世界最高峰のウインガー、リベリーとロッベンを有する布陣はどんな相手にも脅威を与える。実際日本からドイツ・ブンデスリーガに渡った多くの日本人選手、香川や内田、岡崎らが「リベリーが最高に凄い選手だ」と語っている。ロッベンはインに入ってシュートを打ちたがるが、リベリーは読めないし最高のスピードで予想外のフェイントをするからというのが理由だが、ロッベンもカウンターアタックでは100m10秒台のスピードを誇る脅威の選手だ。バレンシアはレアルのカンテラ出身FWソルダート、CBラミら攻守の要に、昨季10得点のジョナス、フェグリ、バネガに加え、ガゴも中盤に加わった。リールはガルシア監督が選手の引き抜きにあいながらも魅力的なチームを作り続けており、今季もアザール、ジョー・コール、その前年もジェルビーニョといった主力を失いながら戦力を整えている。今季はフランス代表FWに手が届きそうなスター候補ノラン・ルー、トゥーリオ・デメロ、パイエに加え、司令塔マルタンや、何といってもチェルシーからサロモン・カルーまで獲得して戦力を保持しようとしている。攻撃陣の連携は未だ不十分だが、チーム作りに成功すればそれなりの結果を残す可能性がある。ベラルーシのバテは、FWロジオノフ、オレフノビッチ、ボロジコ、さらに10番をつける23歳の若手ブレサンと聞いた事がない選手ばかりで構成されているが、逆にこういったチームがどこまでやるか観るのもCLの面白さだろうしダークホースだ。

グループG
バルセロナ(ESP)
ベンフィカ(POR)
スパルタク・モスクワ(RUS)
セルティック(SCO)

バルセロナは一つのサイクルを終え、グアルディオラ体制から彼の下でコーチを務めた新監督ビラノバ体制へ移行している。メッシは相変わらず世界No.1であるが、昨年故障でほぼ一年を棒に振った実績十分のFWビジャが帰ってきたことが、レアルにリーグ優勝をさらわれたチームにとっては非常に大きい。さらにテージョ、ペドロ、アレクシ・サンチェスといった粋のいい若手FW、シャビ、イニエスタ、セスクといずれも世界最高峰の司令塔に成長著しいチアゴ・アルカンタラが控える。本来なら1チームに一人程度しかいないこの手のクリエイティブな司令塔が、4人もいること自体、他チームには脅威であろう。さらにブスケツのみならず、中盤の底に守備も攻撃も一流のソングをアーセナルから獲得した。CBプジョルが帰ってきたし、故障がちなDFアビダルの代わりに左サイドバックにはユーロでも大活躍したジョルディ・アルバを補強した。戦力では昨季を上回っているだけに、ビラノバの手腕に注目が集まる。その他ラテンな攻撃サッカー満載のベンフィカ、スコットランド・チャンピオン、セルティック、リヨンからシェルストレームが加わったスパルタク・モスクワとどこもうまくやれば、2位通過のチャンスがあるチームである。

グループH
マンチェスターU(ENG)
ブラガ(POR)
ガラタサライ(TUR)
CFRクルージュ(ROU)△

香川、ファンペルシーの加入したマンUは選手層が厚く、ファーガソン監督もタイトルをよく知る名将であるだけに、勝利、勝ち抜けには障壁はないだろう。むしろ国内とCLのどちらに軸足を置くか、また新戦力2人とルーニーの融合ができるのか、といった点でチームの協調がシーズンの課題だ。それが達成されるチームを作れれば、マンUが数多くのタイトルを獲ることも可能であろう。トルコのガラタサライには多くのプレミアの"友人"が存在する。アーセナルのエブエ、エルマンデル、バロシュ、リエラらだ。また、リヨンのキャプテンだったDFクリス、レアルマドリー、バイエルンらにいたハミト・アルティントップ、ブラジル代表フェリッペ・メロらも在籍する豪華な布陣だ。ポルトガルのブラガはエウデル、パウロ・セーザルら国内産スターを有し、ルーマニアのクルージュはブラジル人MFラファエウ・バストスやFWパンテリスや99番のセネガル人FWスグーらを有する。マンU以外は面白い展開になりそうで、ノーガードの打ち合いを期待したい。

以上、グループリーグの展望であるが、優勝予想を絞るならばバルサ、レアルマドリー、ユベントス、ミラン、バイエルン、チェルシー、アーセナル、マンチェスターの2クラブの中から出ると予想し得るだろう。

新興勢力PSGは最も優勝したら面白いクラブではあるが、今季はベスト8、4などいいところまでいって"夢"は次回に持ち越し、がチャンピオンズ・リーグをずっと楽しむストーリーとしては、ひとつの面白いステップなのかも知れない。大金を投じたチェルシーもロンドンのクラブとして初戴冠を目指して10年かかったが、パリの挑戦はどこで結実するのか?或いは空中分解してしまうのか?PSGにとっては世界市場でファンを増やすか否かはこのチャンピオンズ・リーグの結果次第といってよいだろう。

また、未だ見ぬもう一方のロンドンの雄、アーセナルのベンゲルの悲願の初戴冠も観たいし、香川が欧州チャンピオンになる姿も観たいが、勝者になるのはただ1チームだけである。

宮市はジェルビーニョ、ポドルスキー、チェンバレン、ウォルコット、アルシャビン、カソルラら優れたサイドアタッカーの多いガナーズでベンチにいるよりも、まずはプレミアリーグ、ウィガンで10ゴールでも10アシストでもいいので、結果を残して欧州の舞台に独力で辿り着いて欲しいものだ。

ちなみに女子チャンピオンズ・リーグ(UEFA Women's Champions League)での優勝チームは、フランクフルトの3回、ウメオ、ポツダム、そして現在、2連覇中のオリンピック・リヨンの2回、アーセナル、デュイスブルクの1回となっている。

5月にウェンブリーのピッチに立っているのはどのチームか?

また、昨季王者チェルシーは、日本で12月に開催されるクラブ・ワールドカップ(CWC)2012に欧州王者として来日し、Jリーグ王者や南米王者らと対戦をする可能性があり、今季のCL王者も来年末にはCWC出場権を得る。

これから熾烈なチャンピオンを目指した戦いが、はじまる!


・UEFAチャンピオンズ・リーグ・ハイライト(日本テレビ)

・UEFAチャンピオンズ・リーグ・マガジン(フジTV)

・UEFAチャンピオンズ・リーグ 12/13 ハイライト(スカパー)



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