Dream Japan


"Downton Abbey" - ("ダウントン・アビー”)"

 -  "大英帝国の終焉と社会の縮図"

(2014/11/29)

1912年、タイタニック号の沈没から始まるこの英国ドラマは、米国でも大人気で、そのシーズン2、第一次世界大戦の始まりを告げる「開戦」がまもなく、NHKで11月30(日)午後11:00から放映される。

・ Downton Abbey Trailer


ヴィクトリア朝後期に建築された雄大で荘厳な実在する英国のハイクレア城を舞台とし、馬や車が混在し、電話が設置され始めた近代文明の夜明けの時代だが、貴族と使用人たちという2つのコントラストがある。

当時、英国の貴族で流行したというパリの衣装を元にしたシックで、シンプルで、非常に柔らかい印象の衣装を使い、演出も凝っている。

内容は、グランサム伯爵でありクローリー家の当主であるロバート・クローリーが所有するイングランド南東部の城、「ダウントン・アビー」で起こる、妻コーラ、3人の娘メアリー、イーディス、シビルの5人を中心としたエレガントでありつつも、はかなくも繊細な物語である。

しかし、そういった仕事を持たない貴族たちと、その使用人たちという大きく2つの社会が「ダウントン」にはあり、実に16人の登場人物の人生があり、それぞれが求めるものが違い、それぞれの夢や個々の目標があることが見事に描かれているという点がまるで社会の縮図のようで、このような入り組んでいるが、シンプルなドラマは他になかなか見ない、ということが評価される理由のひとつだといえるであろう。

当時は男系男子一人だけに家督を相続させる「限嗣相続制」(げんしそうぞくせい)が定められていたため、長女メアリーに結婚した夫がいないと、「ダウントン・アビー」の相続者がいなくなってしまうのだが、タイタニック号が運命を変えるところからはじまり、マシューという爵位がないが優秀な遠戚との出会いがどう貴族の気高いレディーであるメアリーの心境に変化をもたらせるのか、という展開がひとつの軸だ。

また、使用人の中にもベイツとアンナという信用が置け、実直な人たちと、トーマスとオブライエンという腹に一物ある使用人たちの対立が繊細に描かれており、責任者の執事カーソン、家政婦長ヒューズ、社会主義者のブランソン、10代の厨房メイド、ディジーらの存在も面白い。

エミー賞等各賞を受賞した本作品は、英国作品でありながら、米国で多くの評価を得ており、どこか、米国の南北戦争時代を描いた「風と共に去りぬ」のスカーレットと、レッド・バトラーの恋も彷彿させる。

脚本家ジュリアン・フェローズが、マーガレット・ミッチェルを意識したかは別だが、有名アパレル・ブランド、ラルフ・ローレンが「ダウントン・スタイル」という本作品にインスパイアされたファッションモードを作りだそうとした位、影響力のあるドラマだ!

単なる5人家族の物語ではなく、ギネスブックで「もっとも評価の高いテレビドラマ」に認定されたのもうなずける個性溢れるキャラクターと俳優陣、時代考証、美しい音楽、そして荘厳なハイクレア城がある。


まだ男性だけにしか参政権が認められていなかった時代。貴族も、英国も、世界も、否応なしに、急激な変化とその対応を求められていく。

今から100年前の1914年、オーストリア-ハンガリー帝国のフランツ・フェルディナント大公夫妻をセルビア人が銃撃という"サラエボ事件"から、ドイツ・オーストリア・オスマン帝国・ブルガリアからなる中央同盟国と、三国協商を形成していたイギリス・フランス・ロシアを中心とする連合国の対立の中で、英国がドイツに宣戦を布告し、「ダウントン」も時代を避けられず、"第一次世界大戦"に突入していく。

シーズン1から観るのがお勧めではあるが、日本で2014年11月30日から開始するシーズン2の放送をぜひ、お楽しみ頂きたい!


 

ダウントン・アビー NHK Official

Where is Downton Abbey?

Downton Abbey U.K. Official

ダウントン・アビーの登場人物

Downton Abbey Music


 

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