Dream Japan


■「Averir Tokyo」 未来のなでしこが咲かせた二輪の花 “第20回全日本大学女子サッカー選手権大会”

(2012/01/06)


2012年1月5日、第20回全日本大学女子サッカー選手権大会(通称インカレ)決勝が、国立霞ヶ丘競技場で開催され、日本体育大学と神奈川大学が、延長戦の末、史上初の両校優勝で幕を閉じた。
 
表彰式後は両チームが一緒に
 
過去19大会で、13度の優勝を果たしている日本体育大学と、一昨年第18回大会では決勝で涙を呑んだ神奈川大学。ともにブルーをシンボルとするチーム同士、青いユニフォームの日体大と、アウェイ用の赤のユニフォームをまとった神大は、それぞれ、後半に1点ずつ決め、1-1で20分の延長戦を戦い抜いた。
 
 
日体大イレブン
神大イレブン
 
日体大は3大会ぶりで14度目の優勝、神奈川大学は2001年創部ながら念願の初優勝を刻んだ。
 
前半を両チーム無得点で折り返し、試合が動いたのは、後半16分。コーナーキックからの混戦の中、途中出場の牟田選手からのボールを大谷選手が左足できれいに決めて先制点。
 
最多優勝を誇り、何人ものなでしこジャパンメンバーを輩出した日体大もその伝統と意地にかけて、後半29分に小栗選手からのコーナーキックを、福田選手がヘディングで決めて同点に追いつく。
 
神奈川大学は、キャプテンの長田いずみを中心に攻め、日体大は、小栗や久保田などの活躍や、延長戦から登場した河合がサイドを駆け上がり、場内を沸かせたが、タイムアップ。
 
規定により、両校優勝となり、2011年度の大学女王が決定した。
 
準決勝は吉備国際大学に、PK戦の末に勝ち抜いた日体大。大阪体育大学に3-1と点差の上では圧勝しながら、後半苦しめられた神大。
 
決して、楽な道ではなかったからこそ、表彰式では、神奈川大学も本来の青のユニフォームに着替え、ともに表彰台で喜びを爆発させた。
 
そして、最後は両校そろって、記念撮影。神宮外苑では、彼女たちの喜びの声が、こだましていた。

◆"State-of-the-Art Point":
 
なでしこジャパンの女子ワールドカップ優勝と、INAC神戸レオネッサの2冠で、この1年で飛躍的に盛り上がった女子サッカー。
 
もちろん、なでしこフィーバーに沸いたとはいえ、女子サッカーを取り巻く環境では、大学卒業後にサッカーを続けられるのは一握りである。
 
特に、大卒選手の採用率が多かった企業チームの東京電力マリーゼは東日本大震災の影響で休部(ベガルタ仙台への選手移管を発表)し、INAC神戸は、アジアU-19大会を制した若い息吹きである高校の3選手(京川舞、仲田歩夢、田中陽子。全員なでしこチャレンジリーグにも昨季参戦)を獲得するなど早くから結果を残した若い才能は、大学進学ではなく、有力なクラブチームを選び、その分、大卒者の入団の枠は減る。
 
しかし、すでに今年の卒業生の中にもなでしこリーグ参加クラブへの内定者も誕生しているし、ワールドカップ優勝メンバーも大学卒の選手も活躍はした。
 
なでしこチャレンジリーグにも参加している日体大からは、在学中から日本代表で活躍し、ワールドカップ、ドイツ戦で決勝弾を叩き込んだ丸山桂里奈(現ジェフレディース)や、今や日本代表のエースに昇り詰め2011年なでしこリーグMVPと得点王(チームメートの大野忍と同点)の川澄奈穂美(INAC神戸)、神奈川大学にも、在学中に丸山とともに日本代表デビューした矢野喬子(浦和レッズレディース)がいる。

今回、優勝したメンバーの中にも、すでに卒業後は就職等で引退を決めている選手がいる。彼女たちには、サッカーと大学生活を通じて得たかけがえの無いものとともにもしかしたらそれがサッカー選手でないとしても、それぞれの歩んだ道で輝き続けてほしい。そして、夢叶って、なでしこリーグに活躍の場を移す選手たちには、偉大な先輩たち同様、ワールドカップ、オリンピック優勝を目指してほしい。

最後に、東日本大震災で活動を休止した東京電力マリーゼに所属していた伊藤美菜子選手。

昨年は、なでしこチャレンジリーグに参加した日体FCで一時措置として活動していたが、後輩たちの活躍に大いに勇気づけられたであろう。すでに東電マリーゼを継承するベガルタ仙台レディースへの合流も発表されている。

マリーゼでは、なでしこジャパン代表サイドバックの鮫島選手らと共に活躍し、最後の「10番」を背負っていた彼女が、新たな舞台となる杜の都から、東北沿岸の全ての被災地に勇気を与えてくれる活躍をしつづけてくれることを期待したい。


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